音楽学専攻
音楽?音、そしてそれに関わる人と社会
―音楽学の広大なフィールドへようこそ
教育目的
「音楽学Musicology」とは、音楽や音、音響とそれに関わる人間と社会など、音(楽)にまつわる事柄すべてを研究対象にすることができる学問領域です。
近年、音楽の領域では激しい勢いで多様化と拡散、複合化が進んでいます。西洋の古今のいわゆる芸術音楽のみならず、日本を含めた世界の諸民族の音楽、ポピュラー音楽、また環境音やノイズ、電子音響に至るまで、さまざまな音楽や音、音響が共存し、互いに影響を与えながら複合的な展開を見せています。
そうした近年の音楽文化の多様化とグローバル化に対応しながら、音楽学専攻では音楽に関するさまざまな知識や理論の修得に加えて、演奏、調査、実験など、より実践的な活動も踏まえたしなやかな知性と思考力を養い、多方面で活躍できる人材を育てることを目指しています。そのために、西洋音楽史、民族音楽学、音楽心理学と、それぞれ専門領域の異なる4人の教員が、1学年3名という少人数制の利点を生かして、学生一人一人の関心に応じた柔軟できめ細かな指導を行います。
また、本専攻には一般選抜に加えて、社会人特別選抜も設けられており、社会人の方々も実社会での経験を生かして学ぶことが可能です。
卒業後は、主に大学院に進む者と、就職して社会人になる者とに分かれます。
カリキュラム
1、2年次は、主に音楽学を学ぶ上で必要となる基礎的な知識や能力、研究に求められる学問的な思考力を身につけることに重点が置かれます。また、幅広い教養や知識の運用能力が求められる現代社会に柔軟に対応できるよう、音楽以外のさまざまな授業も合わせて履修します。
3年次からは各専攻教員のもとで専門的な研究を行います。プレゼンテーションやディスカッションを通して、実社会でも役立つ汎用的なスキルを磨くとともに、論文作法などの高度な学術的能力の修得も目指しながら、担当教員の個人指導のもと、最終的な研究成果を卒業論文としてまとめます。少人数制の利点を生かし、異なるテーマに関心を持つ学生たちが互いに刺激し合い、共に学び合うことができる環境を提供します。
科目一覧(現1回生用)
在学生の声
自分の興味に合わせて幅広く学べる環境が魅力です。
松本 愛布さん(音楽学専攻4回生)
私は現在、日本人を対象とするK-POPツーリズムについて研究を行っています。私が所属する音楽学専攻では、履修科目の自由度が高く、音楽に関する知識や理論だけではなく、副科の実技科目も履修できます。
その中で、定期演奏会に向けた冊子作成は大きなイベントの1つです。実技系専攻の学生も参加できるため、学年や専攻に縛られず、縦横のつながりを深められる機会になっています。
3回生になるとゼミに配属され、研究の専門性を高めることになります。院生も含む合同ゼミに参加して、他の学生の研究発表を聞いたり、専攻の先生方や学生たちから質問やアドバイスを受けたりすることで、自分の研究だけではなく、他の音楽研究分野に関する学びも深めることができます。
手厚い指導を受けながら、さまざまな刺激を受けることができる環境―これが、少人数体制である京芸の音楽学専攻ならではの魅力だと思います。
受賞者リスト
専攻のゼミや活動
インタビューやコラム記事の作成
音楽学専攻では、実技専攻の学生とも協力して、本学部の定期演奏会をより盛り上げるため、学内に向けた出演者インタビューやコラム記事の作成などを行っています。上級生になると、定期演奏会プログラムの曲目解説の執筆も担当します。
合同ゼミの定期開催
音楽学専攻教員全員が集まって行う合同ゼミも定期的に開催しており、研究室の垣根を越えて学生同士が刺激し合える環境が整っています。